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2019.02.21

意外と手の込んでいる羽織です

こちらの羽織、オーダーで作らせていただきました。

縞を組み合わせた小粋な羽織です。
しかし!よぉ~く見るとただの縞ではないんです。

「ん?三角が入っているところ?」
この三角を入れるために縦縞と色が被らないように色合わせを考えたことは確かです。これも計算しました。

「それ以外?」

よく見ると縞と縞の間に線がありません。

友禅では糊を置いて防染します(糸目糊置き)。糸目糊が染料の滲みこみのを防ぎますので、染めた後、最後に洗い落とすと白い線として残ります。

→の部分です。こちらは残った白い線に色を挿していますが、線は残っています。

「線があるとダサい。線がない方が良い」
今回、友禅作家の先生がこだわられました。
そこで行った方法が、
まず一番薄い色を染める→その色を残すところに糊を置いて防染し、次に濃い色を染める→その残すところにも糊を置いてさらに濃い色で染める→その色を残すところにも糊を置いて最後に一番濃い色を染める

こうして出来たのが今回の縞です。

手で糊を置く為、まっすぐのピシーっとした縞ではありません。が、そこが良い味を出していると思われませんか?

また、羽裏も素敵なものを使われました。

この柄を大変気に入ってくださり、同じような柄の着物が欲しいとオーダーいただきました。
先日染めあがって参り、ただ今お仕立て中でございます。

「袖を通してみてもいい?」と早速羽織ってくださいました。衣桁にかけているより着姿は三角がよく映えて素敵でした。
この日の着物とは合わないからと撮影はされず、次回合うお着物に羽織って来てくださることに。

着姿をぜひ見ていただきたいので、後日またご紹介させていただきます!