2018.06.02

七五三のご注文-その1

インターネットでおかだやを見つけてくださり、七五三の着物を作って欲しいと関東の方からご依頼がありました。
三歳のお嬢様のお着物。

メールで届いたご希望は
は必ず入れて欲しい (この子の名前に入っているので)
招き猫うさぎ鯛(鯛車)かおめでたい物(宝尽くしや宝船など)、(扇を、花本でもいいのかなぁと、少し思っております)
③様子を見て入れた方が良ければ入れてもよい柄は小槌折り鶴狛犬
④入れようかな(&入れてもいいのかな)と思っている柄はひし形亀甲文花本(本が好きなので)
⑤椿(上の子の名に入っているので)、こけし(あまり好きではないので)、現代柄(ロリータ風、下品なラメ、ギャルが着てそうな感じの着物)はNG
⑥好みの着物の雰囲気は古典柄、レトロ、アンティーク、モダンなど
⑦折角オーダーするので今まで着た雰囲気の着物とは一味違うもの三歳の子供らしい柄

この内容と共にイメージされている画像、これまでの写真等を沢山送ってくださいました。

 
資料として沢山画像を送ってくださったのですが、ご本人様の写真のみご紹介させていただきます。
送られてきた資料の量から想いの大きさが伺えました。

実は他のところにお願いされていたのですが、オーダーを伝えているうちに「他をあたって」と言われたそうです。

おかだやは考えました。

よし!それなら希望のもの全て入れてみようじゃないか!

出来上がったイメージ画がこちら


いただいた感想、そしてその後は‘‘その2‘‘でご紹介させていただきます!
沢山変わっていくのでお楽しみに!!!!!

 

2018.06.05

七五三のご注文-その2

ホームページを見てご注文いただいた七五三の着物の続きです。

最初のイメージ画をお送りしました。

「前に依頼したお店に4ヶ月伝わらなかったのが嘘のように希望が詰まっていて…正直泣きそう、小躍りしたい気分です。主人にもメールを送りました!」ととても喜んでくださいました。

その後ビデオ電話でお顔を拝見しながらお話させていただきました。
会話の中から、おしどりをご夫婦にちなんだものにしてみようかとアイデアが浮かんだり、ここをこんな風にすることはできるか等の話が出ました。

修正したものがこちら。

ご夫婦共にバンドに関わっていたとのことからおしどりをバンド風に、そしてお二人の間に子供を描きいれました。
「とっても可愛いです!子供を描いてくれたのも気に入りました。娘に力説すると‘‘かーいーねー。べーびーちゃんじゃなーい♥‘‘と喜んでます」と大変喜んでくださいました。

また、肩のところ、鶴から招き猫に変えギターを持たせてところ、

「ギターをエレキギターにしてほしい、もう一つの方は食いしん坊なので食べ物か、歌が好きでマイクを持つと離さないので骸骨マイクを持たせてほしい」と参考資料の画像と一緒にメールをくださいました。

それならとご提案したのがこちら。

仲の良いご家族を描いてみました。
ここからさらに変わっていきます!

続きは「その3」でご紹介させていただきます!

 

 

 

2018.06.06

七五三のご注文-その3 

ホームページを見てご注文いただいた着物の続きの続き、その3です。
前回、猫たちを仲の良いご家族の形にとご提案しました!

「それでしたら、私も学生の時軽音部でドラムをしていたのでスティック、子猫ちゃんにベース、マイクを持たせて基本は正面でお願いできますか?」と資料となる写真と一緒にメールが届きました。
そこで、マイクはお姉ちゃんと妹さん、どちらが持たれるか、皆さん右利きか、ドラムはスティックだけだとわからないかもしれないのでドラム本体を描くか、お話ししてできたのがこちら!

猫バンド結成です!お母様にかんざしを書き加えるかご相談したところ、
「追加してください!あと、主人の猫の髪なし、ピアス追加はできますか?」と手描きのイラストを送ってくださいました。

かなりイメージ画がまとまってきたところで再度ビデオ電話させていただくことに。
というのも、ここまでの柄の量だとご予算をオーバーしてしまう為です。
事前に友禅作家の先生とも相談し、どうするかお話しをさせていただきました。

そして修正したものがこちら。

裾の柄を減らしています。

「前回も素敵でしたが、こちらもすっきりとしていて粋さが出て可愛いです!」とお返事が。加えて
「すっきりしたことで改めて思ったのが下前にうさぎさんが一匹くる感じでしょうか。」とご質問が。

質問にお答えしながら、想いを伺いながら、説明をしながら、作って参ります。
この続きはその4でご紹介させていただいます。

 

 

2018.06.15

七五三のご注文-その4

ホームページを見てご注文いただいた着物の続きの続きの続き、その4です。

前回猫バンド結成!そして予算に応じて柄を変えました。

ここで「下前にうさぎさんが一匹くる感じでしょうか。」とご質問が。
仰られる通り、下前にくるので着たときにはあまり見えないことをお伝えすると
「折角描いて頂いて見えないのはどうでしょうか。」とお返事をいただきました。
見えないところにと思われるのは当然だと思うこと、ただ、これだけのお着物、まさに作品なので描かせていただいても良いかと思うこと、もちろん描かないという選択もあること、描かないことで予算はほとんど変わらないことをお伝えしました。
「そうですね。可愛いから(気に入ってます)、うさぎだと勿体ない気がしてならないです。何かとチェンジしたら変ですか?例えば三冊ある花本だったり。」

うさぎを気に入られている…

「よし!それなら!気に入っているものを見えるところにしよう!!」

出来上がったのがこちら。

藤とうさぎを入れ替えました。

この方が私は好きです!鴛鴦の近くにうさぎちゃんだけ雪輪なのはどうなんだろうと主人から疑問がありました。また、移動したことにより真ん中だけごちゃっとしてないか不安に。プロから見ていかがですか?」とお返事が。

雪輪に関しては最初にいただいたご希望の画像がこのようになっていた為こうさせていただいたこと、雪輪はあってもなくてもよいことをお伝えしました。

またバランスについては、これから実物大の下絵を描く際友禅作家の先生が着姿が可愛くみえるように考えて描いていくことを伝えました。イメージ画はA3のサイズで書く為これ以上細かく書けないのです。

初めての完全お誂え、1枚のイメージ画で実物を想像するのは難しくて当たり前だと思います。
そこで、以前作った振袖のイメージ画、実物大の下絵、出来上がった振袖の写真を見ていただき、また途中経過の話もさせていただきました。

「オーダーだとどうしても想いが詰まって詰まって…欲張りになっちゃいますね。私だけじゃないのだと少し安心しました(笑)」
被布や帯とのバランスも気になられていたようです。

ここまで決まりました!下絵にとりかかります!!

が、ここで新たに提案をさせていただくことに!続きはその5で。

2018.06.20

七五三のご注文-その5

ホームページを見てご注文いただいた着物の続き、その5です。

前回下絵に取り掛かるところまでいきました。

が、ここでおかだやから相談をしました。

ご主人様が気に入ってくださっている猫バンド、この位置ですと肩上げをした際見えなくなってしまいます。
そこで、この猫バンド、袖に描かせていただくのはいかがでしょうか、と。

「移動したものを見たい」とのことで描かせていただきました。

 

右前袖に猫バンドを持っていきました。
「袖でしたら、写真を考えると左後袖の方が目立ちませんか?ひし形が描かれているところと総入れ替えではバランスが悪いですか?」とお返事が。

そこで、それでしたらバランスを考えてバンドにまつわるものでまとめた方が良いのではとご提案。そうなると宝船や風車がなくなってしまうので、風車を右肩に描いてはとお伝えしました。

「それでしたら、下前の藤を宝船に変更できますか?」とのこと。

そのままだと全体を見た時にバランスが良くないので、藤をなくして小さな宝が波に乗っているようにしました。

「思った以上に宝船の使い方が豪華になってしまっていて…(自分で言ったくせに)。それなら花本をなくして宝船にしてもいいかなとおもうのですが」とお返事をいただきました。

思っていたのと違うようになってしまうのも当然だと思います。おかだやはとことん付き合います!
下前にこのような葉っぱを入れてほしいと画像を送ってくださったので、そこも変更しました。

「とっても可愛いです!!」

大変喜んでくださいました。

さあラスト!猫バンドのお袖を仕上げていきます!
続きのその6をご覧ください!

2018.06.20

七五三のご注文-その6

ホームページを見てご注文いただいた着物の続き、その6です。

猫バンド、現在こうなっております。

右前袖から後左袖に変更し、バンドにまつわるものでまとめました。
猫たちの下にある数個の丸はスポットライトのつもりです。

「スポットライトはなしでもいいかなぁという気がしました。ないと寂しいでしょうか。」

この絵ではイメージが伝わりにくいと思い、以前創った着物を参考に見ていただきました。

「スポットライトの感じが掴めました!こんな感じでしたら入れてください!」

修正したものがこちら。

猫の下の楕円はライトがあたっているような感じです。

「とっても可愛いです!!」

大変喜んでくださいました。これなら被布を着られても猫バンドが見えます。

今、京都の作家の先生が実物大の下絵の創作に入られています。下絵が出来上がりましたら披露させていただきます!

 

 

 

2018.07.05

七五三のご注文-その7 下絵完成!

ホームページを見てご注文いただいた着物の続き、その7です。

実物大の下絵が出来ました!京都の作家の先生から届いた画像がこちら!

袖と肩です。拡大すると

猫バンドはこのようになりました♬

気持ち良さそうに歌ってます。

裾はこのような感じに。

依頼主様に画像を送らせていただいたところ「とっても可愛い!」とお返事が。
ただ、かんざしを描き忘れていたのでお伝えすると、「猫とオシドリ、どちらかに花かんざしでどちらかには玉簪かバチ形で」とのご要望をいただきました。また、女子にはこのようなまつ毛とメイク風でと画像が届きました。

ご主人様からは、「自分をイメージした猫の耳を飼っている猫風にしてほしい、色味もこの子のようにしたい。妻の猫はエキゾチック風な顔にしてほしい」と写真が届きました。

ちょっと変わった耳の形をしている可愛い猫ちゃん。ご主人様の家族愛がここにも登場です!!

「他にない一品ができそうで楽しみだと申しております。」と締めくくられていたメール。
はい!絶対他にはございません!世界に一つだけ、H様だけのお着物が誕生します!

2018.07.11

七五三のご注文-その8 下絵の修整

ホームページを見てご注文いただいた着物の続き、その8です。

実物大の下絵を確認いただいたところ、飼い猫の耳に似せてほしい、エキゾチック風な顔にしてほしいというご要望でした。

変わった耳の形。「バッチリです」とご主人様。
奥様のエキゾチック風なお顔は…

元と比べると

「いい味が出ている」とご主人様。「エキゾチック、思わず笑いました」と奥様。
ご希望されていた玉簪とバチ型もこちらの猫ちゃんに。
花かんざしはオシドリの方に描きました。

ご希望により、あと少しだけ修整します。

それが終われば地色などについてお話の後、いよいよ本制作です!!

 

 

 

2018.09.19

七五三のご注文-その9 染めあがりました!

ホームページを見てご注文いただいた七五三の着物。
染めあがって参りました!!!

猫バンド、可愛いです!

こだわったお父様のピアスやお母様の簪、何よりこの表情が何とも言えません。

イメージ画と並べてみると

ご要望でご主人様をイメージしたオシドリ。花簪も描きいれ、可愛い子供たちも一緒に。

どんなものか見てみたいとのことで、反物のまま送らせていただきました。
「いい色で、個性的で、唯一無二の作品。私が着たいくらいです。」
嬉しいコメントとともにこんなに可愛い写真を送ってくださいました!

なんて嬉しそう。なんて可愛い。
私たちも嬉しくてたまらなくなりました。

これからお仕立てをさせていただきます。
またご紹介させていただきます!

2018.10.19

七五三のご注文-その10 仕立て上がりました!

ホームページを見てご注文いただいた七五三の着物。

仕立て上がりました!

四つ身で考えて柄を描いているので、今回のように三つ身で仕立てると少し柄が隠れてしまいますが、それでもとてもとーっても可愛い着物です!

袖の猫バンドもバッチリ!

反対のお袖は

上前のオシドリもこの通り!

こんなに想いのこもった、こだわった七五三のお着物、なかなかないと思います。
反物をお送りした際、ご自身にあててみて凄く喜んでくださったお嬢様、仕立あがったものをご覧になられたらどんな風に喜んでくださるでしょうか。

初めてのネットでのご注文、メールやLINE、ビデオ通話でやりとりをさせていただき、こうして仕上がることができました。
大変嬉しく思っております。

七五三の記念撮影のお写真を拝見するのがとても楽しみです!

2018.12.21

七五三のご注文-その11 可愛い写真が届きました!

猫バンドなどご家族の想いが沢山つまった四つ身。

着姿を拝見したくお写真をお願いしていたところ、先日とーっても可愛い写真を送ってくださいました!

お袖の猫バンドを意識してくださってるのかなと嬉しく思いました。

お嬢様とっても喜んでくださり、嬉しくて撮影の時舞っておられたそうです。親御さまとしては大変だったようで、
「帯付けでも撮影する予定だったのですが時間がなくなり諦めました」と仰られていました。

上のお姉ちゃまとも一緒に。

家族写真も皆様お着物で撮られていました。

「カメラマンの方にも、なかなか見ないお色だし、とっても個性的で素敵なお着物ですね。デザインからされたんですか?!すごーい!!やってくれるお店があるんですか?!と、驚かれました。
友人にも「相変わらず拘るねぇ~。もうこれでもかってあんたらしい!!流石、やりおる!!」と、私の中では大絶賛の言葉を貰いました。」

と大変嬉しいメールをいただきました。

関東からホームページを見ておかだやに連絡くださったのがご縁の始まり。こうして素敵な着物ができ、皆さまに喜んでいただけておかだやとしても嬉しい限りです。

 

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